接骨院で女性患者さま向けのメニューを提供する際の注意点とは
最近、産後の骨盤調整や院内エステ、美容鍼メニューなど、女性患者さま向けのメニューを提供している接骨院が多くなってきています。一方、施術スタッフには男性スタッフが多く、「なかなか思うように提案できない」と感じる先生もおられることと思います。そんな先生方へ、接骨院で女性患者さま向けのメニューを提供する際の注意点をお伝えします。
身だしなみと話し方
柔道整復師の男女比は約7:3で男性の方が多く、男性スタッフから女性患者さまへ美容メニューを提案する場面が多いですよね。例え異性であっても、身体や骨の専門家である柔整師・鍼灸師の立場から理論的にわかりやすく説明すれば、素直に受け入れてもえらえます。丁寧かつ誠実に患者さまへ説明をしましょう。
注意したいのは、例え柔整師・鍼灸師の先生であっても、どんな先生の言葉でも素直に聞いてもらえるわけではないという点です。「何を話すか」と同じくらい「誰が話すか」が重要になります。これは、いわゆるイケメンがいいという単純なことではなく、女性患者さま目線で「この先生に施術してほしい」と思える存在かどうかが重要なのです。そのためにはまず、清潔感を出しましょう。そもそも清潔感のある先生でなければ、美容メニューに限らず、話を聞いてもらえないこともあります。一生懸命美容メニューを提案しても納得してもらえることはありません。
過去にHONEY-STYLEで実施した「女性患者さま向けのアンケート」の結果を元に、男性柔道整復師・鍼灸師が気をつけたい身だしなみチェックポイントをまとめました。早速実践してみましょう。
- 髪は伸びすぎていませんか
- 爪は短く切りそろえていますか
- 白衣、スクラブにシワはありませんか
- 無精ひげを放置していませんか
匂いのケアをする
女性患者さまへのアンケート結果によると、施術者の印象は「匂い」で決まることが多いようです。施術をする際は患者さまとかなり密着するので、口臭・体臭には特に注意が必要です。
汗の匂いの予防として、デオドラントスプレーやボディシートでこまめにケアをしましょう。また、昼食後は歯磨きをし、喫煙する際は白衣やスクラブを脱ぐ、喫煙の後は歯を磨くなどの対策をして口臭のケアも必ずしてください。
また、白衣やスクラブの匂いにも注意してください。生乾きの匂いがしないか、柔軟剤の香りがキツすぎないかなどをチェックしましょう。
自分の匂いは、なかなか自分自身で気づくことができません。少しでも気になれば、スタッフ内で確認し合いましょう。
着替えを用意する
女性患者さまの中には、スカートを履いていたりアクセサリーをつけていたりして、施術しづらい服装で来院される方もいます。仕事終わりにそのまま来院される場合や、友人との予定の前に来院される場合も多いでしょう。そういう状況でも快適に施術を受けていただけるように、患者さま用の着替えの貸し出しサービスをお勧めします。
貸し出し用の着替えとして、素肌に直接触れないで施術ができるくらいの長さの長ズボンとTシャツをそれぞれ2サイズずつ用意しましょう。着替えるための更衣室がなければ、施術ベッドをカーテンで仕切ったり施術用の個室を利用したりするなど、プライバシーが守られる配慮は必須です。また、アクセサリーや小物類は、エステやネイルサロンで使われているような小さなプレート(小皿のようなもの)を用意しましょう。
事前説明と配慮
女性患者さまの中には、女性スタッフを希望する方がいらっしゃいますよね。そういう方は、過去に男性スタッフによる対応で嫌な思いをした経験があることが考えられます。
例えば、大きな声で身体のことやプライべートに関することを話された、肌が見える施術なのに周りから見えないように隠してもらえなかった、などです。
女性スタッフを希望する患者さまはそういった経験から「同じ女性として配慮をしてもらえる」と思い指名するので、もし、女性スタッフがどうしても対応できず代わりに男性スタッフが施術する場合は、普段よりも慎重に配慮をして施術にあたりましょう。
例えば、肌や下着が見えてしまう可能性のある施術の場合は、他の患者さまから見えないようにカーテンを引く配慮は必須です。また、服をめくる際には、どの範囲をめくるかを事前に説明しましょう。女性患者さまは事前の説明がなく何かをされると驚いてしまうことがあるので、事前にしっかり説明をし、配慮をもって接してください。
まとめ
接骨院で女性患者さま向けのメニューを提供する際には、まずは施術者自身が、患者さまに不快感を与えないように配慮をしましょう。
そのために、清潔感のある外見と、自身の匂いにも気を配ることが大切です。また、丁寧で誠実な説明と話し方を心がけ、施術においては女性患者さまが不安や不快さを感じないような環境づくりに努めましょう。