接骨院で女性患者さま向けの自費メニューを導入する際の注意点とは
産後プログラムやO脚プログラムなど、女性患者さま向けの自費メニューを取り入れている接骨院が多くなってきています。一方、施術スタッフには男性スタッフが多く、なかなか思うようにお勧めできていない接骨院もおられることと思います。そんな先生方に、接骨院で美容メニューを展開する際の注意点をお伝えします。
男性スタッフの人選

多くの接骨院の場合、女性患者さまへは男性スタッフから美容メニューをお勧めすることになります。なかなかうまく展開できていない接骨院では、その点がネックになっているのではと思います。ただ、異性の立場から理論的にわかりやすく説明するからこそ、身体のこと、骨のことなどを素直に受け入れられるときもあります。女性患者さまにもよりますが、男性の先生だからという偏見は捨てて、必要だと思う女性患者さまへは、ぜひ美容メニューをお勧めいただけたらと思います。
ご注意いただきたいのは、お勧めする男性スタッフが誰でもよいというものではなく、人選に注意が必要になる点です。ただし、いわゆるイケメンがいいという単純なことではなく、女性患者さまからみて”清潔感のある男性スタッフ”かどうかが重要なのです。そもそも清潔感のある先生でなければ、お勧めする前に聞いてもらえず、お勧めしても納得していただけることはありません。
- 髪は伸びすぎてないか
- 長い髪はセットされているか
- 爪は長すぎないか
- 口臭は大丈夫か
- 食後には必ず歯磨きをしているか
- 白衣、スラブはシワシワじゃないか
- 着衣は小まめに洗濯、アイロンをかけているか
- 無精ヒゲ放置してないか
施術服のレンタル

女性患者さまには、ミニスカートを履いていたりアクセサリーをつけていたりして、施術しづらい服装で来院されることがあります。そういう状況でも、美容メニューを展開するためにはできるかぎり快く施術を受けていただける環境づくりが必要です。もしかしたら接骨院の後にお友達との外出予定が急にはいったため、やむを得ずオシャレをして来院されていることも考えられるからです。そんな女性患者さまにも通いやすいと感じてもらえるために、いつでも施術服のレンタルができるように準備しておくことをお勧めします。
施術服として、サイズ2種類、素肌に直接触れないで施術ができるくらいの長さの長ズボンとTシャツはご準備ください。着替えるための更衣室がなければ、施術ベッドをカーテンで仕切ってプライバシーが守られるようにはしていただきたいです。アクセサリーや小物類は、エステやネイルサロンで使われているような小さなプレート(小皿のようなもの)をご準備ください。女性患者さまに説明する際は「できればアクセサリーは外していただけますか」と優しい一言と共に、さっと差し出していただけると良いと思います。
好印象を得る

女性患者さまに「生理的にあの先生はちょっと」と間接的にいわれたり、聞いたりしたことが一度ならずあると思います。実際、生理的に拒否されてしまった場合、そこから挽回することは難しいので、少し距離を置いた方が賢明です。しかし、少しの心掛け次第で、そうなる前に少しでも確率を下げることができます。
ハニースタイルの女性患者さまへのアンケート結果によりますと、施術者に好印象を持つ基準として、外見、匂い、話し方に注目していることがわかりました。
まず「外見」についてです。これはまさに心がけ次第で対応できるところです。女性にとっては清潔感がとても大事になりますので、顔の造りでなく清潔感を気にすることで対応できます。
次に「匂い」についてです。女性は特に匂いに敏感だといわれていいます。お風呂に入っていないのは間違いなく見抜かれます。汗をかきやすいのであれば、デオドラントスティックなどを携帯しましょう。ミョウバンが含まれているものは、古くはローマ時代から愛用される世界最古の制汗デオドラントとして知られています。口臭にも注意が必要です。歯磨きは施術前には必ずおこないましょう。また、煙草を吸わない人からすると煙草を吸われる方はすぐにわかってしまいます。喫煙される際は白衣やスクラブを脱ぐ、喫煙の後は歯を磨くなどの対策をした方が賢明でしょう。
最後に「話し方」についてです。話し方というのはなかなか人から注意されない部分だとは思います。動画で撮ったご自身を見るというのはなかなか辛いことかもしれませんが、自分がどんな印象を与えているのか、本当に患者さまの話を聞けているのか、言葉の遣い方でどういう印象を与えているのか、自分の口癖はないか、など客観性をもって自分を見てみてください。
事前説明と配慮

肌を出す必要のある施術の際に、女性スタッフを指名される女性患者さまがいらっしゃいます。先生にとってはただの腸腰筋でも、女性患者さまにとっては下っ腹、先生にとってはただの臀部でも、女性患者さまにとってはお尻なのです。
女性スタッフを希望される理由は、同じ女性としてどこまで気遣ったら良いかという配慮をしてもらえる、という期待があります。もし、女性スタッフがどうしても対応できないという時は「今、女性スタッフが対応できないので、代わりに対応させてもらっても大丈夫ですか?」と一声かけるようにしてください。「待ってもいいから女性スタッフが良い」と言われたら、そのまま待っていただく方が良いかもしれません。それでも、院内の状況的にどうしても施術をしなければいけないという時は、女性スタッフができないので男性スタッフが対応する旨をさらに一声かけていただき、他の患者さまには見えないようにカーテンを引くなどの配慮をぜひおこなってください。ベッドのカーテンは頭の部分だけでも開けておく配慮も忘れずにお願いします。また、どこからどこの範囲まで服をめくるのかを事前に説明して心の準備を促し、実際に服をめくる際にはそっとめくるように対応してください。そしてできれば下着は見えないようにめくってください。
今は内科の先生でも聴診器をあてる際には胸が見えないよう、極力肌が見えないように気遣っています。接骨院であれば、施術の邪魔にならない程度にタオルをかけてあげると良いかもしれません。女性患者さまは、施術がイヤなわけではなく、事前の説明もなしに何かをされることに驚いてしまうので、事前に説明をして、配慮が感じられるように対応してください。
美容メニュー展開の注意点 まとめ

接骨院で美容メニューを展開する際には、女性患者さんへの対応に注意して導入しましょう。そのために美容メニューを扱う接骨院としての環境づくりにも気をくばってください。