接骨院の患者さまと信頼関係を構築するメールの活用ポイントとは
最近では接骨院業界でも患者さまとメールのやりとりをする院が増えてきました。どうして来院時のコミュニケーションだけでなく、メールが有効的なのでしょうか。また、患者さまとの関係を深めるための具体的なメッセージの内容はどんなものがあるのでしょうか。
メールの重要性
患者さまとの関係を構築するためにどうしてメールでのやりとりが有効なのでしょうか。メールの最大のメリットは「接骨院にいない時間でも患者さまとコミュニケーションがとれる」ということです。
皆さんは「ザイオンス効果」というマーケティングによく利用されている心理学理論をご存知でしょうか。ザイオンス効果とは、日本語では単純接触効果といって、同じ人やモノに接する回数が増えれば増えるほど、その人やモノに対して好印象を持つようになる心理現象です。つまり初めて来院してもらった患者さまに対して、次の来院までにメールを送ることによって、その方との接触回数が増えるため、ただ週に1~2度来院してもらうよりも、早く院に対して好印象を抱いてもらえるというわけです。
ただし、ただ何度もメールを送れば良いというわけでもありません。どんなメッセージ内容が患者さまとの関係を構築するのに有効なのか、具体的にみてみましょう。
配信の時間は患者さまによって変える
まずは送信するタイミングです。メールを読んでもらいやすい時間帯は、受け取る方の性別、年齢、ライフスタイルなどによって異なります。
例えば、幼稚園に通うお子さまがいる主婦・主夫層の場合、家事がひと段落して少し休憩する13時~15時がメールを読んでもらいやすいと言われています。また、会社員など日中働いている方の場合は、仕事が忙しい日中よりも午前7時~8時の通勤中や、午後9時~10時など帰宅後、就寝前の時間帯の方が読んでもらえる可能性が高いです。
患者さまによってライフスタイルは様々ですが、まずは主婦・主夫層、会社員層と大きく分けて、配信のタイミングを調整するようにしましょう。
内容にバリエーションをもたせる
実際、患者さまにメールを送ろうとしたとき、院側が悩むのがメッセージ内容ではないでしょうか。
どんなことを送れば良いのか分からないというお話を先生方からよく聞きます。内容を考えるとき、まず大切にすべきは「院が患者さまを大切に思っている」という気持ちが伝わるかどうかです。
患者さまは院の先生やスタッフがどれだけ自分のことを真剣に考えているかを見ています。ときにはセール情報を送るのも良いですが、それだけでは信頼関係の構築には繋がりません。内容にバリエーションをもたせて、つい開きたくなるメールを作成しましょう。
院のコンセプト
院のコンセプトや院が大切にしていることについてのメールは、新患さまに2回目以降も来院してもらうために有効な内容です。特に忙しいときに来院された方に対しては、十分なコミュニケーションがとれていない可能性もあります。
まだまだ院のスタッフについても、院の雰囲気についても十分に知らない新患さまに対しては、初めての来院のお礼もかねて、自分たちの院が大切にしていることや、これからの施術のプランなどを伝えるなど、2度目の来院に繋がる内容のメッセージを送信しましょう。
施術後のフォロー
患者さまが来院されたら、当日の夜もしくは翌日中にメールを送るようにしましょう。メッセージ内容には施術後の過ごし方の注意点や、自宅でのストレッチなど次回の来院までにしてほしいこと、次回の来院予約などを記載しましょう。
患者さまを院のファンにするためのコツは、その方しか分からない、施術中の会話の内容を盛り込むことです。例えば、「毎日朝はジョギングをしているとのことですが、明日はいつもより体が軽いといいですね♪」や「今週末はお孫さんの運動会とおっしゃっていましたね!ぜひ次回の来院時にはたくさんお話きかせてくださいね」など、たくさんの患者さまに対してではなく、その患者さま自身を大切にしていることをアピールしましょう。
健康情報
患者さまに毎回楽しんでメールを読んでいただくために、ためになる健康情報を定期的に配信しましょう。効果的なのは最低でも月に1度、季節性をもたせた内容で配信することです。
たとえば、2月~4月の花粉症で悩む方が増える時期には、アレルギー症状のメカニズムや、対策についてちょっとした情報を送信しましょう。鍼灸やサプリメントなどアレルギーの緩和に繋がるメニューや商品の用意がある院であれば、健康情報と一緒にアピールすることもできます。他にも暑くなる時期であれば、夏バテ対策についての紹介も良いでしょうし、寒い時期なら免疫力についての情報も患者さまに喜んでいただけ、来院のきっかけになます。
健康情報のメールの最後には、「もしも、体調の変化や悩みがあればいつでも私達に相談してくださいね」と来院の誘導も忘れないように付け足しましょう。
イベント情報
患者さまに来院していただくために、定期的にイベントを開催している院も多いのではないでしょうか。特に年末年始など休みが続いて、客数の減少が不安な時期は、人気施術や商品を値下げしてみたり、抽選のイベントをしてみたり、色々な工夫をされていることと思います。そんなときはメールをうまく活用しましょう。
メールを使用せずにイベント告知をするとなると、患者さまに口頭でお伝えしたり、ポスターを設置してみたり、院内での告知が一般的です。つまり、告知期間に実際に院の前を通った患者さまや、来院してもらった患者さまにしかイベントの存在を知ってもらえません。しかし、メールなら、月に1度のペースで来院している方にも、しばらく来院していない方にもイベントの情報をお届けすることができます。
ちなみに、2週間程度のイベントについてメールを配信する場合、おすすめの送信回数は5回。まずはイベントが始まる前の告知です。どんなイベントなのか、期間はいつからなのか、詳細をお伝えしましょう。2回目はイベントのスタートを知らせるメール、3回目はイベント中に実際の患者さまからの声や写真なども入れたメールを送りましょう。4回目はイベントが終了する直前、残り期間があとわずかであることをアピールし、最後の集客を行います。最後は、イベントに参加してくれた方へのお礼をお伝えしましょう。
紹介依頼
紹介によって患者数の増加を図りたいときにも、メールは有効的な手段です。ただし、まだ数回しか来院したことのない患者さまにいきなり「紹介してください」というメールを送ってしまうと、売り込みが強すぎると捉えられる可能性があります。メールで紹介をお願いする場合は、ある程度の信頼関係が構築できた後に送るのがおすすめです。
このときは、紹介していただいた場合、1000円引きとさせていただきます」など、報酬と引き換えに依頼する」のは避けましょう。「最近暑くなってきたので、ご家族やお友達で、最近体調が優れない方がいらっしゃったら、ぜひ一度一緒いらっしゃってくださいね。〇〇さまの大切な方の健康も私達が全力でサポートします」など、患者さまへの思いやりが伝わる文章を心掛けましょう。
再来院のお願い
患者さまの中には、最後の来院から何カ月も期間があいてしまっている方もいらっしゃいます。そんな方にもう一度来院してほしいときにもメールを活用しましょう。
一度来院予約を忘れてしまった方は、なんとなくもう行きにくいなと感じているかもしれません。そんな方に対しては「最近、お体の調子はどうですか?また〇〇様とお会いできるのを楽しみにしています。」とお伝えすることが、来院のきっかけになることもあります。新型コロナウイルスの流行をきっかけに、院への足が遠のいている方には感染症対策についてお伝えすることが来院のきっかけになるかもしれません。
一度、体の悩みが解決して来院しなくなった方でも、また不調が出てきた頃にメールを読むことで、また院に相談しようと思ってもらえるでしょう。今、来院していない方にも「来院のきっかけ」となるようなメールを定期的に送りましょう。
メール活用のまとめ
いかがでしたか。接骨院におけるメールの活用法についてご紹介しましたが、大前提として「メールはきっかけ作り」であることは忘れないようにしましょう。メールだけで来院してもらえるわけではありませんし、モノが売れるわけでもありません。最も大切なのは接骨院での患者さまと過ごす時間です。メールできっかけを作ったら終わりではなく、次の来院時には「こないだのメールは読んでいただけましたか?」と声をかけるなど、信頼関係を深めるためのツールとして活用してください。