「女性の患者さんを増やしたい」「女性がリラックスできる院にしたい」 そう考え、内装をおしゃれにしようと試みる男性の先生も多いかと思います。
しかし、その「おしゃれ」が、ご自身の趣味やこだわりが強く出すぎた結果、かえって女性が居心地の悪さを感じてしまうケースも、ひょっとしたらあるかもしれません。
では、女性に選ばれる院づくりは「センス」の問題なのでしょうか? もしそうなら、真似するのは難しいですよね。
でも、ご安心ください。私たちが取材で見つけたのは、「センス」という曖昧なものではなく、 「男性には気づきにくい“不快”を取り除き、“安心”を提供する」という、極めて具体的な「気遣い」の積み重ね でした。
先日訪問した、東京・世田谷区の「とまり木鍼灸整骨院」は、まさにそのお手本のような院でした。 (→患者さん向け 訪問記事はこちら)

なぜ、男性の先生が運営するこの院が、女性患者比率8割という圧倒的な支持を得ているのか。 その空間から見えてきた、今すぐ取り入れられる「3つの気遣いのヒント」をご紹介します。
気遣い1:「ノイズ」を消す。視線・音・光の配慮
先生方が施術に集中したいように、患者さんも自分の身体と向き合うことに集中したいと思っています。しかし、多くの院は無意識のうちに、患者さんの集中を妨げる「ノイズ」で溢れています。
- 音のノイズ: カーテン1枚で仕切られたベッド。隣の人の話し声や、自分の悩みが聞かれてしまう不安。
- 光のノイズ: 仰向けになった際目に入る、天井の蛍光灯。
「とまり木鍼灸整骨院」は、このノイズを徹底的に排除していました。

【実際の工夫】 施術室は、プライベートが完全に守られる個室タイプ。先生が以前勤めていた院では、カーテンの仕切りから隣の会話が聞こえてしまい、なかなか集中できなかった経験から、「自分が施術に100%集中でき、患者さまにもリラックスしてもらえる環境を」と、この形を選んだそうです。
特にこだわったのが「照明」。鍼の施術で上を向いた時に、光が直接目に入って眩しくないように間接照明を使用し、すべてが計算された優しい光になっています。
先生の「自分も患者さんも集中できる環境を整えたい」という思いが、結果として「聞かれない安心感」と「眩しくない快適さ」という、患者さんへの最高の気遣いになっています。
あなたの院では、患者さんがリラックスしている時、目や耳に「不快なノイズ」が入っていませんか?
気遣い2:“引き算”のデザインが居心地の良さを生む
「患者さんのために」と、キャンペーンのお知らせや健康情報を院内にたくさん掲示していないでしょうか。
もちろん情報発信は重要ですが、「リラックスしたい」と思って来院した患者さまにとって、過剰な情報は「視覚的なノイズ」になり、無意識の疲れを生みます。
「とまり木鍼灸整骨院」は、この「引き算」が徹底されていました。

【実際の工夫】 院内を見渡して気づくのは、POPや過剰な装飾が一切ないこと。これは「ごちゃごちゃさせず、目が疲れないように」という先生のこだわり。色数を抑え、情報を絞る「引き算のデザイン」を徹底することで、どこにいても心が休まる、統一感のある空間を生み出しています。
「おしゃれ」とは、足し算で飾り立てることではありません。
特にリラックスを求める空間においては、「余計な情報を視界から消す」ことこそが、患者さんの安心感と居心地の良さに繋がるのです。
気遣い3:男性が気づけない“不便”への先回り
これが最も重要であり、男性施術者が一番見落としがちなポイントです。 院の「居心地の良さ」は、施術室や待合室のデザインだけで決まるのではありません。トイレやパウダールームでの「小さな不便」が、せっかくの空間演出を台無しにしてしまうことさえあります。
「とまり木鍼灸整骨院」のすごさは、この「気付けない領域」をカバーしていた点です。

【実際の工夫】 その秘密を探ると、先生の奥さまからのアドバイスを素直に取り入れた、素敵な工夫がありました。 施術後にメイクを直せるように置かれた綿棒や、お手洗いに置かれた蓋つきのゴミ箱など、「男性では気づきにくいけれど、女性にとっては“あって当たり前”の気遣い」が随所に。
「施術後に髪や顔を整えたい」「お手洗いのゴミは蓋つきのゴミ箱に捨てたい」。
これらは、女性にとって非常に切実なニーズです。 「綿棒1本」「ゴミ箱の蓋1つ」に、院の姿勢が表れます。
これは「センス」の問題ではなく、「知っているか、知らないか」「やっているか、やっていないか」だけの問題です。
まとめ:居心地の良さとは「気遣い」の集合体
女性に選ばれる院とは、高額な施工費をかけた院でも、先生の趣味が詰まった院でもありません。
- 施術に集中できる「ノイズのない」環境か?
- 情報過多で「疲れさせる」空間になっていないか?
- 女性特有の「不便」を放置していないか?
これらの1つひとつを丁寧にクリアしていく「気遣い」こそが、女性にとっての「居心地の良さ」であり、「ここに通い続けたい」「この先生にお願いしたい」という信頼に繋がります。
まずは先生方も、ご自身の院のトイレや鏡の周りを見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。
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