接骨院で自費施術を売るためのカウンセリング術

自費率アップのカウンセリング まとめ

自費施術の売上はカウンセリングにかかっている!接骨院で自費施術を売るためのカウンセリング術

最近は保険施術よりも自費施術をメインに運営している接骨院が増加しました。低価格な保険施術に比べて、価格が高い自費施術は、売上の伸ばし方にお悩みの先生も多いかもしれません。特に、まだ自費施術メインに移行したばかりだったり、保険施術の患者さまも多かったりする院からは、なかなか自費施術のリピーターが増えないとのお声をよく聞きます。自費施術の患者さまを増やしたいとき、院内掲示物やチラシなどでアピールをするのもひとつの手ですが、決め手となるのが「カウンセリング」です。

正直なところ、保険施術はカウンセリングがどんなものであっても価格が低いため、リピート率は高くなります。保険施術のみで院の運営をしていた頃と同じカウンセリングを行っていては、自費施術の患者さまは増えません。では、自費施術の患者さまを増やしたいときのカウンセリングはどうすれば良いのでしょうか。

コミュニケーションを意識する

いつから痛みがあるのか、どれくらい続くのか、何をするのが辛いのか…施術者が施術をするために必要な情報はもちろん聞かなくてはいけませんが、カウンセリングがスタートしてすぐに、自分がしたい質問から始めるのはNGです。特に新患は、どんな先生が施術をしてくれるんだろう…と少なからずの不安を抱いているものです。自費施術を受け、リピート来院をしてもらうためには、この不安を払拭し、警戒心をとく必要があります。

まずは、アイスブレイクを挟んで患者さまがリラックスしてから、具体的な施術の説明に移りましょう。後に詳しくお伝えしますが、あらかじめカウンセリングシートに会話のきっかけとなる質問項目を入れておくのも良いでしょう。施術を受ける前から「この先生になら、自分の身体をまかせたい」と思ってもらえるコミュニケーションを心掛けてください。

コミュニケーションポイント① 患者さまに積極的に話してもらう

患者さまは身体の痛みなどにお悩みの方が多く、「誰かに聞いてほしい、分かってほしい」と思っています。患者さまが自発的に話すことは、たとえ直接施術に関係がない話だとしても、とことん聞く姿勢を徹底しましょう。また、先生から患者さまへ投げかける質問は、口頭でないと確認できない質問に限定してください。「はい、いいえ」で完結する質問であれば、カウンセリングでわざわざ時間を割いて聞く必要はありません。カウンセリングシートで回答してもらうようにしましょう。

カウンセリングでは「具体的にどんな動きをしたら、どこがどれくらい痛みますか?」など、答えに幅が出る質問の仕方をして、患者さまが自発的に話す流れを作りましょう。そして、患者さまの話には必ず反応することを忘れずに。意識してリアクションすることで患者さまはさらに積極的にお話をしてくれるでしょう。

コミュニケーションポイント② 患者さまの話を否定しない

明らかに良くなるまでに時間がかかる施術でも「今日中に痛みをとってほしい」、早く良くなりたいけど「週に1回も来院したくない」、明らかに生活習慣が悪くて体調に影響しているのに「生活習慣に問題はないはず」…患者さまは、ときに間違ったことも言うし、無茶を言うこともあります。しかし、「それはダメです!」「違いますよ」など、患者さまを否定する発言はぐっとこらえましょう。

患者さまは話を否定する先生よりも自分の話に共感してくれる先生の方が信頼できると感じます。カウンセリングにおいては信頼関係を構築することを優先し、否定の仕方には十分気をつけましょう。

自費施術を提案するための流れを作る

自費施術を提案するための流れを作るいきなり施術の提案をしても、患者さまはどうしてその施術が必要なのかを理解できません。3つのステップを意識して自費施術を提案しましょう。

ステップ① 自分の身体の状態を理解してもらう

患者さまに自費施術が必要なのを理解してもらうためには、まずご自身の身体の状態を知ってもらわなくてはいけません。患者さまの中には、普段からジムなどにいっているからと筋力に自信がある方や、姿勢が悪い自覚がない方もいます。姿勢や柔軟性の検査は、先生が患者さまの状態を知るために必要ですが、患者さまが自分の身体のことを知るためのものでもあります。実際に写真を見たり、数値を提示したりするなどして、客観的に自身の身体の状態を理解してもらうようにしましょう。

ステップ② 身体の状態と悩みを紐づける

患者さまに身体の状態を理解してもらったら、痛みや不調と関連付けて説明をしましょう。肩コリでお悩みであっても、首、腰、背骨の影響を受けていることもあります。腰が痛くても足や股関節が原因のこともあります。患者さまにその関係性をきちんと知っていただくことが大切なのです。

ステップ③ 施術メニューを提案する

コミュニケーションを十分にとりながら、自身の身体について理解してもらったら、いよいよ施術メニューの提案です。ここでは、具体的にどんな場所にどんな施術をするのか、どれくらいの頻度でいつまで来院すれば良いのか。最終的なゴールはどんな状態なのか。目的と過程について患者さまと共通認識を持てるようすり合わせを行います。ここで金額についてもお伝えしますが、あくまで施術の提案だということを忘れずに、営業色が強くならないように注意しましょう。

カウンセリングシートを見直す

カウンセリングシートを見直す

カウンセリングシートは「先生と患者さまが共通認識を持つ」ために必要不可欠なものです。また、カウンセリングシートに沿って進めることで、患者さまに未来の自分が良くなっていることをイメージしてもらわなくてはいけません。そのためには、ここまでお伝えしたカウンセリングの流れを踏まえて、4つのセクションから構成するのがおすすめです。

ハニースタイルのカウンセリングシート例

ハニースタイルのカウンセリングシート例

ハニースタイルのカウンセリングシート

1.コミュニケーションセクション
名前や住所の確認や、趣味や来院動機など患者さまの情報を聞き出すためのセクションです。前述したように、患者さまに警戒心を解いてもらい、後に続く施術の話をきく体勢になってもらうために重要なセクションでもあります。施術に直接関係がない話題でも、共通点などを見つけて話を広げるなど、できるだけ和やかな雰囲気を作ります。コミュニケーションセクションを飛ばしてヒアリングセクションに入る院も多いですが、患者さまとの信頼関係を築くためにはコミュニケーションは欠かせないので、手を抜かないようにしましょう。

2.ヒアリングセクション
コミュニケーションセクションで患者さまとの距離を縮めたら、ヒアリングセクションで、患者さまの身体の状態や悩みを「具体的に」引き出しましょう。いつから痛みがあるのか、何をすると辛いのか、何に困っているのかなど、詳細を聞き取るようにしましょう。また、本人が自己申告していない身体の悩みを引き出せるのもこのエリアです。肩コリがつらいと訴える方でも、冷え性や頭痛など他のお悩みも持っているかもしれません。患者さまに合った自費施術を提案するためには潜在的な悩みを発見するのも大切です。

3.シミュレーションセクション
ヒアリングセクションで身体の悩みや問題点を患者さまと共有したら、次は自費施術を受けてもらうために、理想的な未来の姿を想像させるような質問をします。ただ単に「膝の痛みが取れた状態」ではなく「膝の痛みが取れて、また毎日ウォーキングができている状態」など、生活の中での自分の姿を想像できるよう誘導しましょう。

4.メニュー提案セクション
シミュレーションセクションでニーズを具体化し、未来の姿を想像してもらえたら、「それを実現するための」メニューを提案します。そのメニューを通じて、どのような変化が期待できるのか、どんな施術なのか、患者さまに納得してもらえるよう説明をしましょう。今後の来院スケジュールの目安もここでお伝えします。

自費率アップのカウンセリング まとめ

自費率アップのカウンセリング まとめ

自費施術を提案してもなかなか受けてもらえなかったり、リピートしてもらえなかったりすると患者さまに積極的にすすめたくなくなりますが、そんなときはまずはカウンセリングの見直しを実施しましょう。スムーズに自費移行ができるか、自費の売上が伸ばせるかは、技術力やメニューのラインナップよりもカウンセリングにかかっていると言えます。自費施術をうまく提案できるようになれば保険施術だけを提供するよりも、ぐっと患者さまとの距離は縮まり、患者さまの先生への信頼度も高まります。施術をする前から「この先生にまかせたい!」と思ってもらえるカウンセリングを身につけてください。

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