接骨院経営を劇的に変えるKPIとは?

接骨院経営を劇的に変えるKPIとは?

普段、接骨院の経営指標として、売上や来院数を確認している方は多いと思います。これら以外にもリピート率、自費率、ネット予約数など、指標としてとらえられる数字は多数存在しています。あなたの接骨院ではどのような数字を指標として確認されていますか。

今回は、アトラが利用院さまをご支援させていただいている中で実際に活用している、接骨院で目標達成につながる数字(KPI:Key Performance Indicators:重要業績評価指標)について解説します。接骨院経営を施術者目線でとらえ、劇的な変化をもたらせてきた数字ですので、ぜひ活用してみてください。

接骨院の売上とは

接骨院の売上とは

接骨院の売上は、次の式で表すことができます。

売上=来院数×平均単価
来院数:来院された患者さまの人数
平均単価:患者さまにお支払いいただいた平均金額

例えば、ある日の売上は、次のように計算できます。

〇月〇日
来院数:40人
平均単価:3,000円/人
40人×3,000円=120,000円
売上:120,000円

売上を上げるためには、「来院数」もしくは「平均単価」に注目します。

来院数に注目する

来院数に注目する

接骨院経営で、もっとも意識すべきなのは、限られたスタッフや時間内でできるだけ多くの患者さまをみることです。つまり来院数に注目する必要があります。

接骨院の来院数を考える場合、「来院数」と「患者数」、「来院頻度」の違いを正しく理解しておくことが重要です。

来院数は以下の式で表すことができます。

来院数=患者数×来院頻度
来院数:来院された患者さまの人数
患者数:来院された患者さまのカルテ枚数
来院頻度:来院された患者さまの平均来院回数
例えば、ある1日で計測した場合、来院数と患者数は同じ数字になり、来院頻度は1回になります。一方、1週間で計測する場合、来院数は7日分合計した数字ですが、7日間に複数回来院された患者さまがいる場合があるので、患者数は来院数より少なくなり、来院頻度も1回より多くなります。

通常、来院数は営業月単位で計測していきます。

〇年〇月度
患者数:200人
来院頻度:4.5回/人
200人×4.5回=900人
来院数:900人

来院数を上げるためには、「患者数」もしくは「来院頻度」に注目します。

回数券に注意が必要な理由とは

来院数を増やすために、患者さまに回数券を販売し、来院を促すことも有効です。回数券のメリットは患者さまの自発的な来院を促すことができる点です。患者さまにとっての継続して通院する必要性を正確に把握し、納得いただくように説明することで、一定期間内に予定通り来院いただくことができます。デメリットは、効果を実感できなくなった時の把握とその対応です。回数券で来院いただいている患者さまは、毎回の来院予約に納得されているかを把握できない場合がありますので、コミュニケーションは積極的にとりましょう。

患者数を計測する

患者数を計測する

患者数とは、ある一定期間内(通常1ヶ月間)に来院された患者さまのカルテ枚数をさし、例えばAさんが一定期間内に2回来院されたとしても1人と数えます。患者数は、3種類に分類されます

患者数は以下の式で表すことができます。

今月の患者数=前月の患者数の持ち越し+今月の新患数+今月の再新患数
前月の患者数の持ち越し:前月来院された患者さまのうち、今月も来院された患者数
今月の新患数:今月初めて来院された患者数
今月の再新患数:前月より前に来院されていた患者数
それぞれに注目すると、来院されたきっかけが違いますし、検討するべき課題が異なります。それぞれをKPIとして月次で把握していくことをおすすめします。

多くの広告費用をかけて、新患に力をいれて集客している接骨院では、1ヶ月の患者数における新患数の割合が多くなります。その場合、今月の患者数も同様に増加していればよいですが、前月の患者数の持ち越しが増えていない場合は、特に注意が必要です。

KPIとそれぞれの目安
〇前月の患者数の持ち越し:前月の患者数の80%以上
〇新患数:20人(月間)
〇再新患数:総患者数の5%(月間)

患者数が非常に大切な理由とは

接骨院は、基本的に立地を動かせないビジネスです。立地を動かせない以上、来院いただける可能性のある患者さまの人数(商圏)はある程度決まります。例えば商店街の立地の場合、自転車で来れる距離にお住いの方々になりますし、駐車場がある接骨院であれば、車で来れる距離にお住いの方々になります。商圏が決まっている以上、いつか新患は尽きますし、来院いただけなるということは商圏内の母数が減ることになります。また、患者数は違った視点でとらえることができます。例えば、同じ1,000人の来院数でも、100人の患者数と400人の患者数の接骨院では、状況は異なります。自院が何人の患者さまに支えていただいているかを認識することが接骨院を経営するうえでは大切です。

来院頻度を計測する

来院頻度を計測する

来院頻度は営業月単位で計測します。一つの目安として4.0回以上を基準(ただし、サブスクリプションなど院の運営方針がある場合は注意)にしてください。

来院頻度は以下の式で表すことができます。

来院頻度=来院数÷患者数
例えば、新患が月末に来院された場合、来院頻度は1回になりますし、月初に来院された場合、その後週2回来院いただくと来院頻度は8回になり大きな差が生じることがあります。しかし、長期間で計測すると平準化されますので、気に留めずに計測してください。

この来院頻度は、上げすぎると特定の患者さまの来院数に依存してしまうことになりかねません。長期的には、バランスを見ながらほかの数字と一緒に見ていくことが必要です。

KPIとそれぞれの目安
〇来院頻度:4.0回~

2回目リピート率を計測する

2回目リピート率を計測する

来院頻度を改善するために、まず確認するのは、新患の2回目の来院数です。接骨院には、2回目の来院の際に経過を確認する責任があります。2回目に来院いただけるかどうかは接骨院の施術に対する率直な評価としてとらえられますので、非常に重要な項目です。

2回目のリピート率は以下の式で表すことができます。

2回目のリピート率=2回目の患者数/新患数
2回目の患者数:初回来院から2週間以内に来院した患者数
また、2回目に来院いただくまでの来院間隔も重視しましょう。初回来院の1年後に来院いただいた場合でも2回目ではありますが、経過確認という目的は薄くなります。経過確認をするという観点から、初回来院から2週間以内に来院した患者さまだけを2回目に来院された方とみなし、リピート率を計測してください。

KPIとそれぞれの目安
〇2回目リピート率: 90%~(2週間以内)

予約数を計測する

来院数に注目する

来院頻度を上げるために注視すべきは、日々獲得する予約数です。完全予約制ではない接骨院の場合は、予約数を把握するためにぜひ予約制を導入してください。

予約制を導入しているのに待ち時間が発生するのはどうして?

予約制を導入しているのに待ち時間が発生するのはどうして?

予約数の把握は、将来の売上を確保するための重要な要素です。また同時に、日々のキャンセル数も計測していきます。獲得した予約数と残念ながらキャンセルされてしまった予約数の差異が、その日の来院数より多ければ、将来的に売上が上がるといえます。これが予約残数です。

予約残数は以下の式で表すことができます。

予約残数=予約数-キャンセル数
接骨院では、患者さまが院内でとられる予約、ネット予約、電話予約など、様々なルートで予約を受け付けられます。それらすべてを合計した予約数からその日にキャンセルされた数を差し引いた数字が、1日の目標来院数以上になれば、今日よりも明日、明日よりも明後日と、これから先、徐々に来院数が増えていくことにつながります。日々の予約数、キャンセル数を計測していくことが、今後の売上達成を早期に把握することにつながります。

KPIとそれぞれの目安
〇予約残数:1日の目標来院数以上
〇予約数:その日獲得した将来の来院予約数
〇 キャンセル数:予約数の10%以下

予約数の推移を計測する

予約数の推移を計測する

毎日、1日の終わりに翌日以降の予約残数を1週間、2週間、3週間、4週間ごとに集計してください。その推移をみることで、近い将来に取るべき対策を見通すことができます。例えば、翌日以降1週間の予約残数が非常に多いのに対し2週間以降の予約残数が少ない院は、適切な来院指導ができていなかったり、直近の新患数が少なくなっていたりするかもしれません。予約数の推移をみると、このような課題に、早い段階で気づき、対処できます。

KPIとそれぞれの目安
〇1週間~4週間後の予約残数:日々の予約残数の推移

対策として、1回の予約で複数回の予約をとることもできますし、連休明けに患者離れが起きるということも事前に察知することができます。結果的に近い日にちの予約が取りにくい院になり、早い段階で少し先の予約をとるべきだとが患者さまにも認識されて好循環につながります。先々の予約を取っていただけない接骨院は、来院指導が行えていないといえますので、カウンセリングや接骨院の価値づけから 見直す必要があるかもしれません。

平均単価を計測する

平均単価を計測する

平均単価は、施術スタッフの生産性から計算します。患者さまへの対応時間あたりの単価で、10分1,000円(施術スタッフの生産性)を目安にしてください。この施術単価10分1,000円に満たない場合は、カウンセリングや施術メニューの見直しが必要です。自院の状況によっては施術スタッフへの教育投資や新たな設備投資も必要になります。

KPIとそれぞれの目安
〇施術単価:1,000円~/10分(施術時間)

この平均単価は、本来最初に確認するKPIです。療養費に加えて自費率を高めることでこの単価は達成できます。なお、ここでの時間単価にEMSやメドマーなど、施術スタッフの手をとらない機材施術による料金は含みません。

自費率アップのカウンセリング まとめ

接骨院で自費施術を売るためのカウンセリング術

自費施術の導入コストを削減

自費施術の導入コストを削減

まとめ

繁盛院に伺うと、売上と来院数の数字以外に、目標達成につなげるための数字を見て、その達成度と今後の対策についてミーティングをされています。ミーティングのたびにKPIを繰り返し確認しているので、普段から数字を意識して行動できるようになります。業績が良いときだけではなく、悪いときにも変わらず確認することで、目標達成を具体的に意識して日々取り組めるようになるようです。

これらのKPIは実際にアトラが支援させていただいている利用院さまで活用している数字です。ぜひ自院の数字と比較して活用してください。

日々の予約から経営状況を可視化

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